司法書士の頼み方

業務の内容は


司法書士は裁判所に提出する訴状、答弁書、準備書面、各種調停事件等の申立書、検察庁に提出する告訴状など、法務局または地方法務局(登記所)に提出する各種の登記申請書、供託に関する申請書ならびに、これらの業務に付随するいっさいの書類を作成し、かつ、登記、供託の手続きを本人にかわって代理することができる。
さらに平成15年4月1日から簡易裁判所における訴訟の手続き・民事調停手続きなどについて代理することができる司法書士も誕生しました。
なお司法書士制度の目的に関する規定及び司法書士業務の重要性にかんがみ、司法書士の職業として「司法書士は常に品位を保持し、業務に関する法令及び実務に精通して、公正かつ誠実に、その業務を行わなければならない」ことを明確されています。
ここでは、司法書士の業務の中で取扱事件も多く、一般の取引にも密接な関係のある不動産の登記について、司法書士に依頼する場合、心得るべき事項を簡略に記載することにします。

所有権保存登記

一般に所有権保存登記といわれているのは、土地、建物、立木、その他工場財団等のうち、権利について全く登記してない不動産等について、はじめて所有関係を登記簿上に表すための手続きをいうのですが、このうち比較的多い建物の保存登記について述べてみます。
特に借地上に建物を新築した場合には、借地借家法10条に規定されているとおり、建物の保護を受けるためにも、何はさておいてもこの保存登記を必要とするのです。
この保存登記を申請する場合には、不動産登記法に規定による建物新築による表示登記の申請をしたうえで、さらに所有権保存登記を申請することになります。

相続登記

所有権移転登記の原因は、売買、贈与、相続、交換、共有物分割などです。登記の申請には従来登記原因証書(たとえば売買契約証書)が必要ですが、これらの証書は必ずしも存在するとは限られませんから、もし存在しない時は、これにかえて、申請書の副本を提出すればよいことになっています。しかし不動産登記法の改正により、登記原因証明情報を必ず提出しなければなりません。
つぎにこの所有権移転の登記は、相続登記の場合等を除き、原則(判決による場合は例外)として、登記権利者(たとえば買主)と登記義務者(たとえば売主)が共同して申請することになっていて、この場合にはつぎに述べるような書面を必要とします。

⑴ 登記義務者の権利に関する登記済証(登記識別情報) 登記済証は一般に「権利書」と呼ばれているものですが、要するに、右の登記義務者が、自己の名義に所有権の保存または移転の登記をしたときに登記所から交付を受けた登記済証です。ただし平成17年3月7日以降は登記済証制度は原則として禁止され、登記所によっては登記識別情報(再貼付不可の目隠しシールを貼った英数字を組み合わせた暗証番号を通知すること)となりました。なお、経過措置として登記所によっては登記済証制度は存続します。
もしも、この登記済証が滅失または紛失して提出できない場合は、それにかえて登記を受けた成年者2人の者が、その登記義務者の人違いでないことを保証した書面(いわゆる保証書)二通を提出すればよいという保証書の制度がありましたが、これは廃止され、事前通知制度が新設されました。これは登記官が本人であることを確証する制度です。⑵ 登記義務者の印鑑証明書

登記義務者(たとえば売主)が個人であるときには、その者の住所地の市区町村長の発行する印鑑証明書を必要とします。
また、登記義務者が会社その他の法人であるときには、その代表者の印鑑証明書を必要とするので、その場合には、その会社などの登記を受けている登記所が発行したものに限ります。
この印鑑証明書は、3ヶ月以内のものに限り有効とされていることに注意してください。

⑶ 登記権利者の住所証明書

登記権利者(たとえば買主)の住所を証する住民票または謄本または抄本を必要とします。また、登記権利者が会社などの法人であるときは、その法人の登記簿の謄本または抄本を必要としますがこれは、その法人の代表者の資格証明書をかねさせることもできます。
なお、この住所証明書は、前に説明しました保存登記の申請の場合にも同様に必要です。

 

これは登記事件の中で一番難しいとされています。まず相続を証する書面ですが、これには、その相続人の相続関係を明らかにする事項が記載されている戸籍謄本はもちろん、その相続を申請する相続人の他には相続人のないことを立証するために、通常はその被相続人が10歳くらいの時からの事項が記載されている戸籍謄本または除籍謄本などが必要になります。
また被相続人の住民票の謄本または抄本も必要となります。さらに、相続放棄の場合(民法938条)には、家庭裁判所の相続放棄申述の受理証明書を、また共同相続人中のある者が、ある一定の目的で被相続人から、すでに相続分を超えて財産の贈与を受けている場合(民法907条)には、それを証する書面などが必要です。
また共同相続人間で遺産分割があった場合には、前もって、最寄りの司法書士の相談の上、これらの書面を取り揃える必要があります。

抵当権設定登記

この登記を申請する場合に必要な書面、すなわち登記義務者の権利に関する登記済証、印鑑証明などについては、所有権移転登記の場合と同様ですから省略して、ここでは、特に抵当権設定登記について必要な部分だけ述べます。
抵当権設定登記の原因としては、その被担保債権の発生要因たる債権契約(たとえば金銭消費貸借契約)と抵当権設定契約とが存在しなければなりません。
登記原因証明情報を作成する場合には、このことに注意して作成しなければなりません。登録免許税は、債権額の千分の四です。また、住宅新築賃金等の借入れの場合には、前に述べた保存登記の場合と同じように市区町村長の発行する証明書を添付すれば、千分の一に軽減されます。
つぎに、この抵当権設定登記の抹消ですが、この場合には抵当権設定の登記済証(登記識別情報)が必要です。

仮登記

仮登記は、登記(本登記)をなすべき権利変動は、当事者間において、すでに発生しているけれども、その登記に必要な手続き上の条件が具備しないときと、たとえば売買予約のように将来、所有権を移転すべき請求権を保全しようとするとき、または停止条件付代物弁済契約のごとく所有権の移転が一定の条件にかかる場合などにおいて、将来なさるべき本登記の順位を保全しておくためにするところの予備的な登記です。
つまり仮登記は、登記の順位を保全する為の登記であり、仮登記してあればたとえ目的不動産を後に第三者に売られ、本登記をされても心配ないわけです。
たとえば1000万円で家を買った人が仮登記をしておけば、あとで新しい買主が1500万円だして、所有者から買取り、移転登記を済ましても、仮登記した人が、あとから本登記すれば、1500万円だした人の移転登記は対抗力を失うわけです。
この仮登記も原則として(仮)登記権利者と(仮)登記義務者とが共同して申請するのですが、例外として仮登記義務者の承諾書(印鑑証明をつけたもの)があれば、仮登記権利書だけでも、申請できます。
また、仮登記義務者が、この申請手続きに協力しないときには、その不動産の所在地の地方裁判所に申請して、いわゆる仮登記仮処分命令を出してもらい、その仮処分命令の正本を添付して、仮登記権利者だけで申請する事が出来ます。
なお、この仮登記の申請をする上で注意を要する点は、右記の仮登記の申請事由のうち、「手続き上の条件不備」には、登録免許税不調達、登記義務者の出頭不能などは、あたらないものと解されています。

簡易裁判所にいける訴訟代理など

 平成15年4月1日の改正司法書士法執行で、司法書士業務として、簡易裁判所における訴訟代理等を行う業務が新たに加わりました。
具体的には、簡易裁判所における以下の手続きなどです。⑴ 民事訴訟手続き(少額訴訟手続きを含む)
⑵ 支払い催促の手続き
⑶ 民事保全の手続き
⑷ 訴え提起前の和解(即決和解)
⑸ 証拠保全の手続き
⑹ 民事調停の手続き
また裁判外での和解の代理や法律相談に応じることもできます。《司法書士の報酬》

司法書士の報酬は各司法書士が自由に定めることができます。
会則では報酬の額や、算定の方法、諸費用を明示し、依頼者との合意のよって決定することになっているので十分説明をうけて納得して合意するようにしてください。

《司法書士総合相談センター》

司法書士会には司法書士総合相談センター(小額裁判サポートセンター、随時無料法律相談、成年後見センター・リーガルサポートとの連携)があり、市民の相談等に応じています。
【日本司法書士会連合会】  電話 03−3359—4171

 

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